CINETRIP : USA / OUT OF ROSENHEIM / バグダッド・カフェ

ニューベリー・スプリングス、ルート66沿い。砂漠の真ん中にあるカフェを舞台にした『Out of Rosenheim/バグダッド・カフェ』をご紹介。

ラスベガス近郊、モハヴェ砂漠を走るハイウェイ沿いにある「バグダッド・カフェ」。寂れたカフェの女主人・ブレンダは、ダメ亭主と二人の子供に一人の孫を抱え、いつもイライラしっ放し。そんなある日、カフェに得体の知れない巨漢のドイツ女・ジャスミンがやってくる。アメリカ旅行中に砂漠の真ん中で夫と喧嘩別れした彼女は、カフェ併設のモーテルに滞在することに。客ではあるものの、お節介でマイペースな他所者が気に食わないブレンダだったが、ジャスミンの優しく落ち着いた人柄に触れる内、次第に心を解きほぐされていく。

観ている間はドラマに引き込まれるが、「また観たい!」と思い出すときには、決まってあの色使いと音楽が頭に浮かぶ。青空と荒野、その間にある建物と小道具のすべてには、力強く、硬い手触りの美しさが煌めいている。そこにまた異質の美しさを持ったテーマ曲『Calling you』が乗り、どことなく怪しげな世界が幕を開ける。だが物語が始まると、コミカルな曲やシンプルなピアノの旋律が多用され、ジャスミンのルックスとも相まって何となくホッとしている内に、いつの間にか秀逸な人間ドラマに引き込まれていく。観終わった直後はストーリーの良さに感心するのに、しばらくするとまたあの鮮烈な色使いが記憶を覆い始める。そして例の歌声が私を呼び始め…と、私のバグダッド・ループは続いていくのであった。

■TRAILER・トレーラー

■MUSIC・音楽

41XCH9DHT8Lボブ・テルソンの楽曲はどれも素晴らしいが、中でもジェヴェッタ・スティールが歌う『Calling you』(アカデミー主題歌賞ノミネート)は、世界中で多くのアーティストにカバーされた名曲だ。Celine Dionや、オスカー女優でもあるBarbra Streisandなど名立たるスターが歌っているが、私が好きなカバーは、思わず聞き惚れてしまうGeorge Michaelバージョン。彼が歌うとグッと時代感が出ちゃうけど、それもまたいい。ちなみにこのカバー曲が収録されているミニアルバム『Five Live』は、1991年に逝ったFreddie Mercuryの追悼ライブ音源等から構成されており、George Michael and Queenによる『Somebody To Love』も素晴らしいので、サントラと共にぜひ聴いてほしい1枚。

■LOCATION・ロケーション

アメリカを横断する全長3,755kmの「ルート66」沿いに実在し、今も営業を続ける『バグダッド・カフェ』。モーテルは営業していないようだが、印象的な「MOTEL」の看板や、ジャスミンに恋するナイスな老人・ルーディ(ジャック・パランス)のトレーラーハウスは健在だ(2017.7現在)。荒野・ハイウェイ・モーテル・ダイナー(的な何か食える所)と来れば、7~80年代アメリカ映画ファンの大好物。アメ車かハーレー、いやダイハツミゼットでも何でもいい! 一度はルート66を直走って、バグダッド・カフェでコーヒーを飲んでみたい!!

■TRIVIA・トリビア

★本作公開から25年経った2014年3月、主演のマリアンネ・ゼーゲブレヒトが『バチカンで逢いましょう』のプロモーションで初来日を果たし、「映画.com」のインタビューで日本との意外な縁を語った。

「『バグダッド・カフェ』のパーシー・アドロン監督と初めて組んだ『シュガーベイビー』(86)は、2人でアイデアを出しあって作った映画なの。そんな思いの込もった作品を、ベルリン映画祭ではじめて買い付けてくれたのが日本の配給会社だった。作品にはそれぞれ運命があって、今回の映画で日本に行けると聞いた時は、とても神秘的な気持ちになったのよ」。

この他にもインタビューでは、本作以降の成功で舞い込んだハリウッドからのオファーを次々と断った理由など、女優として、人間としての彼女の魅力が語られている。

(映画.comインタビュー記事)

http://eiga.com/news/20140425/13/

■DETAILS・作品詳細

作 品 名:Out of Rosenheim / バグダッド・カフェ
公   開:1987年
制 作 国:西ドイツ・アメリカ
上 映 時 間:95分
監   督:パーシー・アドロン
キ ャ ス ト:マリアンネ・ゼーゲブレヒト/CCH・パウンダー/ジャック・パランス



Share on Facebook0Pin on Pinterest0Tweet about this on TwitterShare on Tumblr0Email this to someoneShare on Google+0

COMMENT

NEW ARTICLE

ARCHIVE

Instagram#hictp

CINETRIP

© 2019 映画を旅する | CINETRIP(シネトリップ).